厚生労働省リンク→
仕事と介護の両立 ~介護離職を防ぐために~

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/

 毎日のように、介護疲れから家族が殺人を犯す、心中するといったニュースが流れます。少し時間ができたので、前に読んだ本を引っ張り出してみました。

 介護離職も社会の損失ではありますが、家族を殺すという不幸なことから比べればまだ良いことなのかもしれません。平成25年簡易生命表によると、男性の平均寿命は80.21年、女性は86.61年。平均寿命はあくまで平均であるからそれ以上生きるかもしれないし、それより若くても健康寿命ではないから、寝たきりや痴呆等で要介護となることもありえます。また、障害をお持ちの家族の介護となれば、その介護は数十年続くことになる場合もあるでしょう。

 いまから10年も経過すると、いわゆる団塊の世代がこの年代に突入してくるので、ますますこの手のニュースを目にすることが増えることになるでしょう。いや、もしかするとあなた自身がニュースになってしまっているかもしれません。そうならないようにするためには、厚生労働省が最近好んで使うワード、「接続可能な」社会保障制度としていかなければ不幸な社会となってしまいます。

<国立社会保障・人口問題研究所リンク  社会保障費用統計(平成25年度)

http://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/fsss-h25/fsss_h25.asp

平成25年度の社会保障費は110兆円を超えました。毎年1兆円を超えるペースで増加し続けています。内訳は以下の図のとおり。

  単位:兆円
年  金 54.6
医  療 35.3
福祉その他 20.6

 一方、少子高齢化が進むなか、現役世代が支払う保険料の伸びには限界があります。消費税増税も経済情勢によってはできないでしょう。そこで、マクロ経済スライドにより年金額の伸びを調整したり、70歳以上の医療費の自己負担割合を2割(平成26年4月以降に70歳到達したもの)にしたりして支出を抑えようとはしていますが、数字を見る限りまったく焼け石に水状態。経済成長や女性等の労働参加が進まなければ、社会保障を現状の水準で維持することは不可能でしょう。

 このような現在の日本の介護の現状、社会保障費をめぐる議論に真正面から、そしてファンタジックに描いたものが、垣谷美雨「七十歳死亡法案、可決」。舞台は2020年。団塊の世代が75歳に到達し、後期高齢者医療制度の被保険者になる頃。その2年後、七十歳死亡法が施行され、七十歳の誕生日から30日以内に安楽死等で死ななければならない。これにより、膨れ上がった社会保障費の問題が一気に解決されるという。この「七十歳死亡法」をめぐり、そして介護とは、家族とはという重いテーマをドタバタ劇で一気に読ませる、舞台向きの作品。高齢者vs若者をストレートに描いているのも爽快。ラストは考えさせる。人事コンサルタントの城繁幸さんに批評してもらいたいですね。

 少し前の話になりますが、社労士の勉強会において、少子高齢化が進行しているとはいえ、医療費が毎年定率で増加し続けるのはおかしいのではないかといった議論をしたことがあります。顧問先の医院が診療報酬の不正請求をしているのではないかといった話もありました。もし、不正をしている疑いが強くなったら、顧問の社会保険労務士も懲戒となる危険があるので、顧問契約を打ち切りましょうということで意見は一致しました。

 昨年、美人女医が診療報酬の不正請求をしたということがニュースになったのも記憶に新しいかもしれません美人女医。捕まったときに美人女医だったかどうかはともかく、このような事例は他にもあり、厚生労働省によるとこの数年、毎年100億円超の診療報酬の不正請求が確認されているそうです。実際はこの何十倍といった金額が不正請求されているのでしょうから、保険料が毎年のように上がるのは当然かもしれません。馬鹿を見るのはまじめに保険料を払っている我々被保険者ということになります。